南三陸町被災地

 
 宮城県の北東部、本吉郡の南部に位置し、志津川湾、伊里前湾に面する町。湾内には椿島、竹島、船形島、野島などの島があり、リアス式海岸特有の優れた景観を持つ。沿岸部一帯は三陸復興国立公園の指定を受けている。西・北・南西は北上山地の支脈に連なっており、町土の70%以上は森林である。


 ホテルからの朝日

 自らも被災しながらホテルに600人の被災者を受け入れ、衣食住を提供し続けた宮城県・南三陸町の「ホテル観洋」。女将の「町民を救った180日間」と、地方経営者として三陸復興に尽力する現状を追った


客室から

 ホテルは町から少し離れた高台にあったため、なんとか無事だったが(2階までは被災)、震災直後には宿泊客や従業員、近隣からの避難者350人がおり、道路が分断されたため孤立状態となった。情報はラジオのみ。電池も限られているので、時間を区切ってラジオを聞いた。女将は「1週間は籠城になるかもしれない」とすぐに1週間分の献立を作り、トイレを一部閉鎖して風呂や水道の使い方など「水のルール」を客や被災者にも徹底してもらい、震災直後のスタッフは笹かまぼこ1枚をわけあうなか、被災者をお客さんとしてもてなした。


客室から


ロビーから


 町の機能がまったく麻痺するなか、避難所として被災者を受け入れ、5月からは約600人の被災者を受け入れる。そのときに、優先的に学生のいる家庭と経営者の家庭の受け入れを申し出たそうだ。その理由を女将はこう語る。「ライフラインがとぎれたままでは、人がよその町、都会に流出してしまい、町が消えてしまうと思ったからです。人がいなくなってしまったら町ではありません。子どもは転校してしまったらすぐに戻ってこられない。地元の経営者が立ち上がってくれなければ、雇用が生まれず人が生活できない。だから子どもと経営者が優先だったんです」


夕食
(アワビなどなど)


夕食(たこシャブ)


 
南三陸町の津波による死者数は566名、行方不明者数が310名(12月28日現在)にも上った。 住民の大多数が「地震の後には津波」との意識が高かった地域でありながらこんなにも多くの犠牲者が出てしまった。防災対策庁舎では繰り返し「高台へ非難してください」と防災無線で呼びかけ続けていたが、まさかその3階建て庁舎屋上を2mも上回るとんでもない津波が襲ってくるとは、高台に避難していた人たちさえ目を疑ったことだった。

防火センター


さんさん商店街からの防火センター


 南三陸さんさん商店街は、2012年2月25日(土)に、宮城県南三陸町の志津川地区に オープンした仮設商店街です。 2014年7月23日には、天皇皇后両陛下がお越しになり ました。復興をになう地元の事業者32店が軒を連ね、連日多くの観光客でにぎわいます 。


さんさん商店街


南三陸を代表するA級グルメ「南三陸キラキラ丼」。

 元は町興しのために始まったキラキラ丼ですが、リーズナブルな値段で贅沢な丼ぶりが食べられると各地で話題を呼び、今や知名度・人気共に全国に知れ渡る丼ぶりになっています。キラキラ丼の特徴は、四季に応じた4種類の丼が提供されること、いずれの丼ぶりにも地元南三陸産の新鮮な海産物がたっぷりと贅沢にのせられていることです。


復興事業